製造現場
国産という品質と信頼
品質の高さは、A.Y.Judieの特長のひとつであると自負しています。
一部の金具以外はすべて国産の材料を使用し、製造もすべて国内で。長野県小諸市にある本社周辺の、確かな技術を有する外部の加工所に委託しています。
製造の現場では、思いがけない問題や課題が発生することは避けられません。だからこそ、双方のスタッフが頻繁に行き来しながら円滑なコミュニケーションをはかり、商品の意図や製造のポイントを理解しあうことは、品質を高め生産を安定させることにつながっています。
技と手間と厳しい目と
加工所に製造を依頼する際は、まず社内デザイナーが作成した加工仕様書をもとに綿密なミーティングを行います。
使用する素材やパーツの説明から、組み立てや縫製など各作業の段取りとそれぞれの留意点、スケジュールなどを伝えます。
特に型崩れや強度に関しては細心の注意を払ってレクチャーを徹底し、必要に応じた縫製の練習や試作を経て、製造を開始します。
加工所スタッフから、強度が増すよう縫製をこう変えてはどうか…、より美しく仕上がるようこの部分を工夫すると良いのでは…といった提案を受けることもあります。現場ならではの声は、工程の改善や品質向上を促す貴重なものです。
構造がシンプルな商品でも、仮留めなどの下準備、本縫製、各種パーツ付けなどの仕上げ、検品、パッケージと、少なくとも5段階の製造工程を要します。
検品ひとつをとっても規定のチェックポイントが多々あり、汚れや傷はないか、縫い目の歪みはないか、縫直しなど余計な針穴はないか、糸始末の長さは適切か…等々、すべてをクリアしたものだけが商品となります。
真摯で親身な職人たち
製造の委託先のひとつ、菊池悦子さんが代表を務める加工所は幅広い世代の女性約30人が所属し、それぞれの生活スタイルに合った働き方で生産の現場を支えてくださいます。
優秀な縫製技術者が多く、難度の高い商品を依頼できることが菊池チームの特長です。
またスタッフが多いこともあり、注文が殺到した場合などの「早く、多量に、しかもクオリティーは維持したままで」という至難な特急案件への対応力も突出しています。
そうしたケースでも、決して一部のスタッフに負荷がかかり過ぎないよう担当を割り振る菊池さんの、しなやかな辣腕ぶりも見事です。
「確かに忙しいけれど、大変さよりも作る喜びが先にある。だから結局は楽しいってこと」と笑う菊池さんとスタッフのみなさんに、私たちは全幅の信頼を寄せています。
パートナーでありファンでもある
「うちのスタッフは作り手であるけれど、A.Y.Judieのファンでもある」と菊池さん。
加工所のスタッフ自身が商品を愛用するだけでなく、友人へのプレゼントにするケースも多く、また「販売店で商品の売れ行きを確認したり、陳列が曲がっていればそっと直したりすることも珍しくない」とのこと。
商品への愛着が強いからこそ、加工所スタッフの商品を見る目は厳しく、その仕事に妥協はありません。
「私の責任で店頭に出す、という気持ちで仕事をしている。そうでなければ商品にもお客様にも失礼だから」という菊池さんの言葉は、すべての加工所とそのスタッフに共通する想いであると感じます。
彼女たちに支えられてA.Y.Judieというブランドは成立しているのです。
揺るぎない流儀
とはいえ、創業当初から、このような生産体制が構築できたわけではありません。
海外や他県の縫製工場と契約していたころは、製造スタッフとのコミュニケーションがなかなかとれない、細部への指示が現場に届かない、私たちの大切な商品が丁寧に扱われない…など、思うようなものづくりができず、歯がゆい思いや悔しく悲しい経験を何度もしました。
経営的にみればコスト優先という選択肢もありましたが、なんのためのものづくりかを自問したとき、おのずと答えは出ました。
その後、紆余曲折を経て、妥協のない姿勢と高い縫製技術を備えた複数の加工所と良好な関係を築くことができたのです。
商品を取り扱ってくださる販売店から頂戴する「A.Y.Judieはお客様からの不良クレームが少ない」という言葉は、製造スタッフへの何よりの賛辞です。
外部スタッフもまたA.Y.Judieのメンバーであり、A.Y.Judieのイズムは彼女たちにも浸透しています。