自分以外は、みなお客様

私は30歳の頃から自営業を選び仕事としてきましたので、職場ではほぼ経営者の立場でした。

その間多くの悩みを抱え、悩みの大半は業績と人間関係でした。そしてそれを越えたくて各種セミナーを受講したり本を読んできました。

「自分以外は、みなお客様」 

これは2015年に出会った本の中から見つけた言葉です。

ご存知の方も多いと思いますが、その本は
『どんな問題も「チーム」で解決するANAの口ぐせ』
です。

ANA独自のチームワークでの働き方が紹介されており、それらが2001年に米国で起きた同時多発テロにより同社が経営危機に立たされた際にもV字回復の原動力になったという内容です。

どれも難しいことでなく、当たり前のことですがなかなかできないので多くの企業が見習い、取り入れたと聞きます。

一般的にお客様というと、お金を払ってくれる方と考えがちですが、ANAは社内で働く仲間もお客様と考えるということです。

 ● 自分が工場で働いているのであれば「後工程は、みなお客様」
 ● 営業の最前線でバリバリ稼いでいるのであれば「サポートスタッフは、みなお客様」
 ● 経費などの精算をする時にも「経理担当者は、みなお客様」

接客するスタッフの前だけにお客様がいるのでなく、自分の仕事に関連する人をみなお客様と考える。
私は当時とても感動し何冊も本を購入し、スタッフにも読んでもらった思い出があります。

今も大好きなその言葉ですが、最近私は「自分以外は、みなお客様」に別の意味づけをするようになりました。

人生には多くの人との出会いがあります。
そして出会いに偶然はなく、出会うべきタイミングも寸分も違わないと聞いたことがあります。
そして別れも同様です。

そしてその出会いと別れ、つまり人間関係により人は成長できるのです。
昔の苦い別れも振り返れば、あれでよかったのだと時が経つとわかりますし、またあの出会いにより今の自分があるのだという感謝の出会いも数多くあります。

そう考えると、私を取り巻く全ての人は自分の成長にかけがえのない大切な人=お客様と考えるようになりました。

辛く当たられた経験などは、相手も悪者役で大変だったろうなあと思います。自分都合の考え方ですが、他の方の人生からすると私もその方の人生の単なる脇役ですのでお互い様よねと、勝手に考えています。

「今日の私の人生はお客様とどんなことが起きるのかな」と思うと1日が楽しみになるからから不思議です。