ベストサービスはノーサービス

私が大切にしている言葉についてのお話です。

軽井沢で小売業をやっていた頃、小売業のセミナーに時々参加しました。
経営コンサルタントの渥美俊一先生の勉強会です。すでにお亡くなりになりましたがチェーンストア産業作りに情熱をかけた方で、多くの企業が学んでいました。

自己流で小売をしていた私は、とても新鮮で夢中で学んだ思い出があります。
そこで聞いたのが【ベストサービスはノーサービス】という言葉でした。

渥美先生はセルフサービス販売を推奨している方で百貨店のようにお店の人が横に来て、説明をしてくれるという売り方ではありません。
商品の前で購買の意思決定をお客様自身でできることが良いサービスだ。
そのためには商品説明文などを含んだパッケージや価格表示、陳列方法が重要だと仰いました。

聞く必要がない十分な情報の提供。それが大切だと。
その時の講義は深く心に残りました。

そして2020年。
新型コロナ拡大で卸先の小売店は休業に追いやられ、納品しているうちの会社の業績も急降下しました。世間はマスク不足も深刻でした。
そこで自分たちもやれることはないかと、アイデアを出し合いハンカチにつけるクリップ付きのストラップ「なんでもマスク」を提案しました。すると何処で買えるのかとの問合せを直接いただき、一気に通販へと加速しました。

今までもネットショップはありましたが売上も少なく開店休業状態。改めて実態を見直すととてもお客様からの問い合わせが多いことがわかりました。スタッフは問い合わせの対応に追われています。
そしてそれはお客様の知りたい情報が商品ページに不足していることが原因でした。お店では実際に目の前に商品があることで得られる情報がネットにはありません。そこをもっと補う必要がありました。

私は渥美先生の講義を思い出しました。
そこで今まで外部委託していた商品説明ページ作りを社内ですることに切り替えました。必要な情報の提供のためには、自分たちで行う必要性を感じたからです。
「私がやってみる」と手を挙げてくれたスタッフがいてくれたことにも助けられました。彼女は受注担当をしていて、多くの問合せに答える日々をなんとかしたいと感じていたのでした。

そして問合わせをしなくても購買決定ができるページ作りを始めました。少しずつ改善され、お問合せも減り始めお客様の不便も減ってきたような感じがします。それでも毎日レビューなども参考にしながら、わかりやすいページを心がけるようにしています。ネット販売は直接お客様と繋がれるとても大切な販売窓口です。

あの時の講義で教えていただいた【ベストサービスはノーサービス】は実物を手にできないネット販売にこそ大切です。

通販で渥美先生を思い出しました。懐かしく、そしてとても感謝しています。